夢奏庵ブログ

牛島通信【2015年12月22日号】

牛島通信北野武(ビートたけし)の深い話

ほんとうのことをいえば、人も羨むその「輝ける明日」なんてものは、いつまで経ってもやってこないというのに。

人がほんとうに生きられるのは、今という時間しかない。その今を、10年後だか20年後だかの明日のために使ってどうしようというんだろう。
昔はそういう人間を、地に足が着いていないといった。
夢なんかより、今を大事に生きることを教える方が先だったのだ。
まだ遊びたい盛りの子どもを塾に通わせて、受験勉強ばかりさせるから、大学に合格したとたんに何をすればいいのかわからなくなる。

夢なんてかなえなくても、この世に生まれて、生きて、死んでいくだけで、人生は大成功だ。
俺は心の底からそう思っている。

どんなに高いワインより、喉が渇いたときの一杯の冷たい水の方が旨い。
お袋が握ってくれたオニギリより旨いものはない。
贅沢と幸福は別物だ。
慎ましく生きても、人生の大切な喜びはすべて味わえる。
人生はそういう風にできている。

そんなことは、誰でも知っている。
だけど、そんな大切なことも教えないで、夢を追いかけろという。
頑張って勉強して、スポーツやって、起業したり、有名人になったりしなければ、幸せになれないと脅す。
そうしないと経済成長が止まって、大変なことになってしまうからだ。

だけど、大変なことになるのは、いったいどこの誰だろう。

少なくとも、清く貧しく美しく生きている奴ではない。

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